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鍼はなぜ効く?WHOも研究する鍼灸の作用と科学的根拠

「鍼って、なぜ身体に効くの?」

鍼灸を受けたことがない方にとっては、不思議に感じるかもしれません。

鍼灸は古くから行われてきた施術ですが、現在では「なぜ身体に変化が起こるのか」という点について、神経や血流などの生理学的な視点から研究が行われています。

実際にWHO(世界保健機関)も、鍼を含む伝統・補完・統合医療について科学的根拠を重視しており、2021年には「鍼治療の実践に関するWHOベンチマーク」を公表しています。

これは鍼治療を安全に行うための基準や、必要な設備・施術環境などについてまとめたものです。

つまり、鍼灸は「昔からあるから」というだけではなく、現代の医学・科学の視点からも研究されている分野なのです。

鍼をすると身体では何が起こる?

鍼を皮膚や筋肉に刺すと、そこにある感覚神経などが刺激されます。

その刺激は脊髄や脳へ伝わり、身体の中でさまざまな反応を引き起こします。

現在の研究では、主に

・神経への刺激
・痛みを抑える神経系への作用
・局所の血流変化
・自律神経活動への影響

などが、鍼の作用を考えるうえで重要な要素とされています。

① 神経を刺激する

鍼を刺すことで、皮膚や筋肉にある感覚神経が刺激されます。

その情報が脊髄や脳へ伝わることで、神経系を介したさまざまな身体反応が起こります。

「鍼を刺した場所だけに作用する」というより、神経を介して身体の反応に影響することが、鍼の特徴の一つと考えられています。

② 痛みを抑える身体の仕組みに関係する

私たちの身体には、痛みの信号を調整する仕組みがもともと備わっています。

鍼による刺激も、末梢神経から脊髄、脳へとつながる神経系を介して、この痛みの調節に関係すると考えられています。

そのため鍼灸は特に痛みや筋肉の緊張などの身体の不調に対して研究が進められてきました。

③ 血流にも変化が起こる

鍼をした部分では、血管が広がるなど局所的な反応が起こることがあります。

鍼刺激によって局所の循環が変化することは、鍼の生理作用を考えるうえで研究されているポイントの一つです。

「身体の巡りを整える」という鍼灸でよく使われる表現も、こうした身体の反応と関連づけて考えることができます。

④ 自律神経との関係

自律神経は、心拍、血管、消化など、私たちが意識せずに行っている身体の働きを調整しています。

鍼灸による刺激が自律神経活動に影響する可能性についても研究されています。

そのため鍼灸では、単に痛い場所へ鍼を刺すのではなく、身体全体の状態を見ながら施術するという考え方があります。

WHOも「科学的根拠」を重視している

WHOは鍼を含む伝統・補完・統合医療について、長く使われてきたという理由だけで有効性を認めるのではなく、科学的な研究によって安全性や有効性を確認していくことが重要だとしています。

2021年には「WHO benchmarks for the practice of acupuncture」を公表し、鍼治療を安全に実施するための基準を示しました。

さらにWHOは2025~2034年の伝統・補完・統合医療に関する研究方針でも、科学的エビデンスを蓄積し、安全で効果的な医療として適切に活用するための研究を推進しています。

ただし、ここで大切なのは、

「WHOが鍼のすべての効果を証明した」という意味ではない

ということです。

鍼の効果は症状や目的によって研究結果が異なり、まだ十分に解明されていない部分もあります。

だからこそ現在も研究が続けられています。

妊活中の身体づくりでは?

妊活中は、仕事や生活習慣、通院などによって身体や心に負担がかかることがあります。

鍼灸では、

・身体の緊張をゆるめる
・リラックスできる時間をつくる
・身体の状態を確認する
・生活習慣を見直すきっかけをつくる

といった「身体を整えるためのサポート」として取り入れることができます。

ただし、

「鍼をすれば妊娠できる」
「鍼によって妊娠率が必ず上がる」

というものではありません。

妊娠にはさまざまな要因が関係するため、必要に応じて医療機関での検査・治療を受けながら、鍼灸を身体のケアの一つとして活用することが大切です。

鍼は「身体の反応を利用する施術」

鍼は、単純に「ツボに鍼を刺す」というだけではありません。

皮膚や筋肉への刺激が神経系に伝わり、痛みの調節、局所の血流、自律神経など、身体のさまざまな反応に関係すると考えられています。

そしてWHOも、鍼を含む伝統・補完・統合医療について、科学的根拠や安全性を重視した研究・基準づくりを進めています。

「なぜ効くのか?」

その答えは一つではありません。

神経・血流・自律神経など、身体が本来持っている仕組みに鍼刺激が働きかけること。

これが、現代科学から見た鍼の作用を理解するうえで重要なポイントです。

 

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